プレゼンテーションのポイント

※写真は卒業制作の審査会プレゼンテーション
連日入試(多摩美術大学造形表現学部デザイン学科)だった。昨日は3年次への編入学試験。書類審査と自分のデザイン作品5点とともに5分間のプレゼンテーション、5分間の質疑応答がなされる。
受験者のほとんどが「プレゼンテーション」ということを理解していないようだった。そういう言葉を聞いたことも無い人も多かっただろう。「どうしたらいいですか?」と聞く人さえいた。
世の中では、デザインに限らず、無数のプレゼンテーションが(プレゼンテーションという言葉で意識されているかどうかに関係なく)様々な場で日々行われている。
プロジェクトチーム内で、上司に対して、クライアントに対して、オーディションで、消費者向けの発表会で、就職試験で、また今述べているような入試で etc.
「プレゼンテーション」という言葉がアメリカから日本に入ってきたのは多分1980年前後で、広告・マーケティング業界で使われ始めたのだろう。
今ではAmazonで「プレゼンテーション」という語を含むタイトルの書籍を検索すると264冊、略された「プレゼン」でも100冊出てくる。
プレゼンテーションは、自分の企画・プランや作品を他の人に向けて「発表」し「説得」する行為だ。
「発表」だけなら簡単だ。作りました、見てください、で済む。 「説得」は、納得してもらう、共感してもらう、ということを含む営為である。
したがって、単に「見れば分かる」ということではすまない(もちろん稀には見ただけで喝采を浴びるようなものも無いわけではないがそれは例外)。
私の属するデザイン学科では、プレゼンテーション能力をとても重視している。1年生の初めから卒業制作の発表まで、4年間を通じてそのトレーニングをする。
なぜそうするかというと、デザイナー・クリエイターは、求められていることを単に一方的に表現・制作すればいいのではなく、それを求めている人とのコミュニケーションの上で作らねばならないからだ。そのための訓練。
以下、順不同でプレゼンテーションのポイントを記す。
・プレゼンテーションは「共感」を勝ち取る勝負だ。単なる「説明」ではないし、作業経過報告ではむろんない。見せればいいというものではない。そしてプレゼンする「人」そのものもプレゼンテーションされる。
・リハーサルを必ずすること。許されている時間内でもっとも効果的にプレゼンしなくてはならない。原稿を準備し、時間を計りながら実際に話してみてみてチェックする。
・原稿を見ながら読んでもかまわない。人前で原稿無しに話すことが不得手な人もいる。ただし、棒読みではなく感情を込めてメリハリをつけ、聴き手の反応を確かめながら話す。
・落ちついて、しっかりと、はっきりとしゃべる。聞き取りにくい小さな声や、早口は不可。
・堂々と自信を持って話す。おどおどした、自信無さげなプレゼンはなにより聞き手の関心をそぎ、心を萎えさる。
・言い訳は言ってはならない。本当はこうしたかったんですが〜、こういうつもりだったんですが〜、は駄目。
・自分の作品の良さを最大限主張する。必ずあるはずの「良さ」から道は開ける。
・けれど、ひとりよがりは最悪。一番気を遣って避けねばならない。伝わって共感されてはじめて意味をなすのだ。
・話す(見せる)順序によって、伝わり方は違うことを考えて臨機応変に構成する(やや高度)。
・聞き手の反応を見て、話し方(見せ方)を変える(高度)。
・失敗に学ぶ。初めからうまくいくはずはない。うまくいかなかったときは、これらのポイントに照らして反省し、次に生かそう。
・いいプレゼンに学ぶ。いいプレゼンにいっぱい接すること。自分がプレゼンするという自覚的な姿勢・立場で聴けば、たくさん学ぶことがある。
・楽しいことは楽しくプレゼンする。自分が好きでたまらない、という「気持ち」が伝わるように。
・適度なユーモアが含められるようになればもっといい(ダジャレで笑いを取るというような意味ではない)。上質のユーモアは、自分と作品と場の状況を客観視できる力と余裕から生まれる。
| 固定リンク

コメント
とても学ぶことの多いお話でした。
投稿: soro^^ ~ | 2005.02.08 07:55